Foldscope(フォールドスコープ)とは何でしょうか?
これって英単語? 意味は?
海外での発売時(2017年)にいち早く購入し、個人的な使用だけでなく、小中学生のイングリッシュキャンプに導入して活動したり、英語の先生や親子イベントを開催したりして実際に Foldscope を導入し、組み立てから観察までサポートしてきた筆者(金井さやか)が、その疑問に答えましょう!
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世界で注目の「折り紙顕微鏡」、Foldscopeとは?
Foldscope(フォールドスコープ)というのは、紙でできた顕微鏡です。
また、”Foldscope” は、辞書に載っている英単語ではなく、この顕微鏡の商品名です。
スタンフォード大学の研究者マヌ・プラカシュ氏とその研究室メンバーたちが開発した「折り紙顕微鏡」、紙を折って(=fold)組み立てる顕微鏡(=microscope)ということでFoldscopeと名付けられました。
日本に紹介されたきっかけは、人気テレビ番組「世界ふしぎ発見!」30周年スペシャル(2017年1月放送)だったと記憶しています。
また、TEDなどの世界的講演会、各種メディアでも取り上げられています。
Foldscope(フォールドスコープ)はなぜ開発された?
顕微鏡と言えば、理科室や研究室の机の上に据え置かれていて、簡単には持ち運べないイメージがありますね。
しっかりしたレンズがついて何万円もするので、理科の授業で「一人一台」とはいきませんでした。
そんな環境が当たり前の中、Foldscope(フォールドスコープ)は、世界のどんな場所でも、安価に使用できる顕微鏡を作って、科学のすそ野を広げたい! という思いをもって開発されたとのこと。
感染症が広がっている地域では、血液などを手軽にチェックできるツールとして使うことで、現地の人たちの安全・衛生への意識が高まり、人々の命を守れると期待されています。
Foldscope(フォールドスコープ)で、ちゃんと見えるの? 実際の観察写真はこちら!
「紙製の顕微鏡なんて、本当に使えるの?」という疑問もあるでしょう。
しかし、本体が紙製といっても、あなどってはいけません。レンズがちゃんとついていて、140倍で身の回りの物を観察できる本格派です。(赤血球も見えるんですって!)
実際の観察写真をお見せしましょう!
これ、何かわかりますか?
答えは記事の最後に。
Foldscope を上手に使うには少しコツがいります。
適度な明るさの場所で観察し、微調整して焦点を合わせたりする必要があるので、慣れも必要です。
何度も試してみてください!
(写真:2018年9月 英語の先生のための 英語×サイエンス フォールドスコープ体験会を実施。大人も楽しみました!)
Foldscope(フォールドスコープ)の組み立て方(動画あり)
私は、このFoldscopeを、「イングリッシュキャンプやイベントで使いたい!」と考えて、いち早く輸入していました。
でも、届いたものを見て、「どうやって組み立てるの? どうやって使うの?」と戸惑ってしまいました。
Foldscopeは、完成品が届くのではありません。
防水仕様の紙パーツを台紙から切り取り、自分で組み立てる必要があるのです。
どうやったらうまく組み立てて使えるかな…… と思っていたところに、素敵なご縁がありました。
アメリカで長年研究を続け、ご自身もFoldscopeの利用・普及にあたっている日本人科学者・Honomi さんとつながりができたのです。
彼女は顕微鏡や生物観察のプロフェッショナル。
動画で、英語でFoldscopeの組み立て方を指南している方でもあります。
(英語も素晴らしいんです!)
英語バージョンの組み立てガイド動画をこちらに載せておきますね。
すべて英語ですが、動画なので伝わるかと思います。
私はパーツの切り取りに約5分、組み立てに15分ほどかかりました。
イングリッシュキャンプで子どもたちの集団を指導しながら組み立てをしたときには、先生たちが事前に紙パーツを切り取って渡しましたが、「説明→実際に組み立てる」手順を少しずつ行って、40分ほどかかりました。
(写真:2019年8月 イングリッシュキャンプで子どもたちもフォールドスコープの組み立てに挑戦しました!)
Foldscope(フォールドスコープ)の購入方法〜どこで買える?
Foldscopeはどこで買える? 購入場所や方法は?
2019年8月時点では、Amazonなどオンラインショップにも取り扱いがなく、日本国内では個人で購入できるところがありません。
(しかし、まもなく国内でも入手可能との情報を得ていますので、詳細が分かり次第こちらでお知らせします!)
ちなみに、製造元のサイト(英語サイト)では中国で製造したものを販売し、各地に出荷しています。
製造元では学校単位、クラス単位など団体での使用を想定しており、販売単位も20個セット、100個セットとなっています。
1つ1ドル程度でできる、というのが売り文句でしたが、実際にはレンズ、ケース、ステッカーなどすべて含めているのでとてもそんな安価では買えません。
海外からの送料を計算すると、到着までにかかる日数にもよりますが、値段はさらに上がります。
立派なケースに入った「デラックスキット」というのもあります。こちらは水中の微生物を観察できるスポイトやプラスチックトレーがセットになっています。
フルセットがほしい! という場合はこの「フォールドスコープ デラックスキット」を購入することになりますね。
(デラックスキット。写真右上の、金属製の筆箱のようなケースにFoldscopeや付属品がセットで入っています。私も持っていますが、いまのところ登場機会が多いのはシンプルな生徒用のセット(写真左下の、カラフルなメッシュケースに入ったもの)のほうです)
Foldscopeを実際に使って、教育イベントなど実施してきた経験をもとにまとめました。お付き合いいただきありがとう!
続編として、実際の観察記録もありますので、ぜひご覧ください。
→ 話題の「折り紙顕微鏡」Foldscope 、実際に使ってみた。観察結果は?
記事中の写真の答え:セロリ
(2018年12月 親子で英語×サイエンス のイベントにて、小学生のお子さんが自宅のキッチンから持ってきてくれたものです!)